前回に記事に引き続き、実数の複素数乗はどのように成立するのか見ていきます。
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前回のおさらい
この関数内で扱われる
流れとしては、
複素数の指数関数
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指数関数と三角関数
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複素対数関数
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一般的な複素数の冪(実数の複素数乗を定義)
こんな感じで、今回は複素数を対数関数で扱うところから始めます。
では、早速。
複素対数関数
前回定義した以下の式から始めます。
ここでネイピア数が登場していることから、対数関数にも拡張できそうな気がします。
つまりは、複素指数関数の逆関数として、複素対数関数を定義しようという試みです。
では、どのように定義していけばいいでしょうか。
まず最終的に求めたい形を確認します。
複素数
しかし、この関数は1対1に対応していません。複素数が円と深いつながりがあることからわかるかもしれませんが、周期的に
このことを考えると、は次のように考えることができます。
順番に見ていきましょう。
複素平面の復習
ここはサクッといきます。言葉の定義を確認していく感じでいきましょう。
- 多価関数
ある数を代入すると、複数の値を返す関数。
- 主値
と書く。無限にある
の中から、偏角の範囲を定めることによって決まる代表値。
複素数の複素数乗
やっとゴールが見えてきた・・・。
複素指数関数と複素対数関数を定義したことにより、以下のように複素数の複素数乗を定義することができます。
左辺が求めていた形で、計算方法が右辺という見方でいいと思います。
先ほど定義した複素対数関数に従って右辺を計算すればいいということです。
ってことで、第一の山は越えました。
具体例で練習
数学ガールの言葉を借りれば"例示は理解の試金石"です。具体的な数字を使って練習しておきます。
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一個前のやつ:part1.1 とりあえず複素数に慣れようか
次のやつ:part1.3 Eular Product
p.s. 補完しなきゃいけん知識が多すぎる。